賃貸マンションやアパートで生活している際に、備え付けのウォシュレットの水が止まらなくなってしまった。このような設備トラブルに見舞われた時、持ち家の場合とは異なる、いくつかの重要なルールと手順が存在します。この「賃貸物件の掟」を知らずに行動してしまうと、本来支払う必要のない修理費用を負担させられたり、大家さんや管理会社との間で無用なトラブルを引き起こしたりする可能性があります。まず、最も重要な費用負担の問題ですが、ウォシュレットが「元々部屋に設置されていた設備」である場合、その経年劣化による自然故障の修理費用は、原則として「大家さん(貸主)」の負担となります。これは、大家さんが、入居者に対して、部屋の設備を問題なく使用できる状態で提供する義務を負っているためです。ウォシュレットの寿命は一般的に7年から10年とされており、「水が止まらない」という症状の多くは、この経年劣化が原因と判断されるため、入居者に過失がない限り、修理費用を請求されることはありません。ただし、入居者が物をぶつけて破損させた、不適切な掃除方法で故障させた、といった「入居者の故意・過失」が原因である場合は、その修理費用は入居者の負担となります。トラブルが発生した際に、入居者が取るべき正しい行動手順は、非常にシンプルです。まず、水が溢れ出すのを防ぐために、応急処置としてトイレの止水栓を閉め、電源プラグを抜きます。そして、次にすべきことは、自分で水道業者を探すことでは断じてなく、「管理会社または大家さんに連絡する」ことです。これが、賃貸物件における鉄則です。連絡を受けた管理会社や大家さんは、状況を確認した上で、提携している指定の水道業者を手配するのが一般的です。もし、この手順を無視して、自己判断で勝手に業者を呼んで修理してしまった場合、その費用を大家さんに請求しても、支払ってもらえない可能性が非常に高いです。それどころか、契約違反と見なされる場合さえあります。一方で、そのウォシュレットが、入居後に自分で購入して設置したものであれば、その所有権は入居者にあるため、修理の責任と費用も当然ながら自己負担となります。賃貸物件での設備トラブルは、迅速な報告と、契約に基づいた正しい手順を踏むことが、無用な出費とトラブルを避けるための、最も確実な方法なのです。