近年の節水型トイレの普及に伴い、トイレットペーパーの使いすぎによる詰まりトラブルが急増しています。節水型トイレは一回の洗浄水量が非常に少ないため、大量のペーパーを一度に流すと、排水路の曲がり角で紙が滞留しやすくなるのです。こうした、いわゆる「紙詰まり」に対して、お湯は非常に強力な味方となります。ある家庭での事例を挙げると、小さなお子様が面白がって大量のトイレットペーパーを流してしまい、完全に流れが止まってしまったことがありました。最初は慌てて何度もレバーを回したそうですが、そのたびに水位が上がるだけで一向に解消の気配がありません。そこで、お湯を使った方法を試すことになりました。お湯にはトイレットペーパーの繊維同士の結合を解く性質があり、特に日本で流通しているトイレットペーパーは水溶性が高いため、四十度から六十度の温水に浸すことで、短時間でドロドロの粥状に変化します。この家庭でも、バケツ二杯分のお湯を時間を置いて交互に注ぎ、一時間ほど放置したところ、特別な道具を一切使わずに「スッ」と水が引いていきました。この成功のポイントは、熱湯を避けて適切な温度を守ったことと、十分な待ち時間を設けたことにあります。多くの人は、お湯を注いですぐに流れないと諦めてしまいますが、紙の塊の芯まで熱が伝わり、繊維が分解されるには物理的な時間が必要なのです。また、お湯の温度が高いほど効果は上がりますが、先述の通り便器の破損リスクを考えると六十度が限界です。もし、お湯だけで効果が薄いと感じる場合は、お湯を注ぐ前に便器内の水を極力減らし、より高濃度の温水が直接詰まり部分に触れるように工夫することが大切です。トイレットペーパーによる詰まりは、日常的に起こりうるトラブルですが、お湯の特性を正しく理解し、焦らずに対処することで、高額な修理費用を支払うことなく解決できる可能性が非常に高い問題でもあります。節水型トイレをお使いのご家庭こそ、日頃から一度に流す紙の量を意識するとともに、万が一の際の「お湯による解消法」を家族全員で共有しておくことが、快適な生活を維持するための防衛策となるでしょう。
トイレットペーパーの使いすぎによる詰まりとお湯の効果