トイレのタンクに水が溜まらない、または溜まるのが非常に遅いといった給水不良の症状が出た場合、その主な原因はボールタップの故障にあることが多いです。ボールタップとは、タンク内に水を供給し、水位が一定に達すると自動的に給水を止める役割を果たす重要な部品です。浮き球と連動しており、浮き球が上がると給水が止まる仕組みになっています。 ボールタップが故障する原因としては、経年劣化による内部部品の摩耗や、水道水に含まれる異物やサビによる詰まりが挙げられます。ボールタップが正常に機能しないと、タンクに十分な水が供給されず、便器の排水量が不足したり、最悪の場合、水が全く溜まらなくなったりすることがあります。 ボールタップの交換も、DIYで対応可能なトイレ修理の一つです。作業を開始する前に、必ずトイレの止水栓を閉めて給水を止め、タンク内の水をすべて流して空にします。ボールタップは、タンクの底にナットで固定されていることが多く、給水管とも接続されています。まずは、給水管とボールタップの接続を外し、次にタンク底のナットを緩めてボールタップ本体を取り外します。この際、残っていた水がこぼれる可能性があるので、タオルやバケツを用意しておくと良いでしょう。 新しいボールタップを取り付ける際は、取り外した時と逆の手順で慎重に行います。特に、タンク底のパッキンが正しくセットされているかを確認し、ナットをしっかりと締め付けることが重要です。締め付けが甘いと、そこから水漏れが発生する原因となります。給水管との接続も確実に締め付けましょう。 取り付けが完了したら、止水栓をゆっくりと開け、タンクに水が正常に供給されるか、そして設定した水位で給水が止まるかを確認します。水位が適切でない場合は、ボールタップについている調整ネジを回して調整します。また、水漏れがないかも入念にチェックしてください。 ボールタップの交換は、いくつかの工具が必要になる場合もありますが、適切な手順を踏めば自分で行うことで修理費用を抑えることができます。しかし、作業に不安を感じる場合や、他の原因が疑われる場合は、無理をせず専門の水道業者に相談するようにしましょう。