トイレタンクの故障は突然やってくるものと思われがちですが、実は日頃のちょっとしたメンテナンスで未然に防ぐことができるトラブルも少なくありません。定期的な点検と清掃を心がけることで、大切なトイレを長く快適に使うことができます。 トイレタンクのメンテナンスで最も重要なのは、「止水栓」のチェックと操作です。止水栓は、トイレに水を供給する役割を担っていますが、いざという時に水漏れを止めるために非常に重要な部品です。普段は開けたままにしていることがほとんどですが、月に一度程度は開閉を試してみて、スムーズに動くか、固着していないかを確認しましょう。万が一の故障時に止水栓が動かせないと、被害が拡大する原因となります。 次に、タンク内部の清掃も重要です。タンク内は常に水が溜まっているため、カビや水垢、サビなどが蓄積しやすい場所です。これらの汚れがフロート弁やボールタップなどの可動部に付着すると、部品の動作不良を引き起こし、水漏れや給水不良の原因となることがあります。タンクの蓋を開け、市販のトイレタンク用洗剤を使用するか、中性洗剤と柔らかいブラシで丁寧に洗いましょう。ただし、タンク内部の部品はデリケートなので、強くこすりすぎたり、強力な酸性・アルカリ性洗剤を使用したりするのは避けてください。 また、ボールタップやフロート弁といった消耗品の定期的な点検も欠かせません。ボールタップの浮き球が水に浸かっていないか、フロート弁にひび割れや変形がないかを目視で確認しましょう。一般的に、ゴム製のパッキンやフロート弁の寿命は5~10年程度と言われています。これらの部品が劣化していると感じたら、故障する前に交換を検討することをおすすめします。新しい部品に交換することで、水漏れなどのトラブルを未然に防ぎ、水道代の節約にもつながります。 タンク内部のメンテナンスは、少し手間がかかるかもしれませんが、日頃から意識して行うことで、突然のトイレトラブルに慌てることなく、安心してトイレを使い続けることができます。